未来に備える教育を

AIの発達とチャットGPTの浸透が、2045年に訪れると言われているシンギュラリティを危険をはらみながら前倒しにするような昨今。日本政府が提唱してきたSociety5.0は、「変われないこと」が特徴の中で安全の確保がないまま、いびつに無防備に進んでいくようです。それを背景に日本の教育を眺めると、ますますガラパゴス化が進むようです。国際社会の先進的な教育では学校のICT化は過去の話題で、デジタル・シチズンシップの教育実践が日本より10年以上も先行しています。
それ以前の論点として、教育における「知」と「学び」の考え方に日本もやっと変容が起こり始めました。未来への備えの教育が間に合うのか、疑問が強く起こります。ICT化は、教育のあり方での国際化も加速させます。子どもたちの自己実現もこれまで以上に国際化の必要性が高まります。
入国管理法の改正は人材のレベル別化が明確に示されないまま進められてきました。日本はいま求人が活況です。しかし少子高齢化が進み、人口縮小で国内の経済活動は変化します。有能な労働者の獲得と企業の活動範囲がグローバル化します。日本の若者が日本に集まる国際人材と協働できるのかという疑問を抱かざるをえません。じわじわと進む国内外のグローバル化に対して、10、20年先に生きる子どもたちにはこれまでとはやや違った国際化の観点で、国際社会で渡り合える力をつけることが必要でしょう。
感受性が柔軟なうちに未来を眺める経験をし、主体性をもって必要な資質とアカデミック・スキルを身につける。教育とは未来に求められる力を育てること。ただし、教育と学びの根底の理念は、「隣人愛」を深く理解し平和を創る人を育てることです。変わらぬ真理に立ち、変わるものへの対応力をつける。関東学院六浦は、未来に繋がる教育に邁進します。

校長 黒畑 勝男

校長挨拶