校長のつぶやき(54)~ハワイ大学への進学、おめでとう!~


掲載日:2021.06.02

「それじゃぁ、2人とも…日本へは数年は戻らないんですね。」

2018年度の本校卒業生KさんとW君、先日、校長室を訪ねてくれました。2人は今年ハワイ大学機構の中のカピオラニ・コミュニティー・カレッジを修了(卒業)し、来る9月からハワイ大学に編入で進学します。KさんもW君も、六浦が2018年度に開設した海外進学を考える六浦生向けの特別な土曜講座(現在のIELTS講座)の一期生でした。

カピオラニ・コミュニティー・カレッジ

高校時代、Kさんはテニス部。粘り強さと芯の強さが持ち味の女子。W君はラグビー部。ポジティブなマインドが強くてちょっとひょうきんな男子。2人に共通したところは、土曜の特別講座でも見せていた積極性と目標に向かう心の強さでした。そうして勇気ある選択と固い決意でのハワイへの進学。

しかし今回の2人の話を聞いていると、ハワイ大学への編入では高校の時のように緊張して構えたり、不安と期待の中で考えたりしているのではないということがわかりました。ハワイの社会です。カレッジも民族多様性の中での学び。生活も共通言語、英語を駆使しての様々な経験。生き生きとした環境の中に身を置きながら一生懸命に勉強し、将来を考え、ごく当たり前の自然体で選択したということがわかりました。嬉しかったことは、昨年の暮れから授業がon-lineに切り替わる中でも(…私もとても心配していました…)2人は努力を怠らなかったことです。そして成績(GPA)優秀者対象のハワイ大学給付奨学金を与えられるという快挙。この自信も決意を強めたと思います。KさんとW君の努力は後輩たちにとても良い手本になるでしょう。

ハワイ大学内には連邦政府が運営するイースト・ウエストセンターもあり、関係者には著名な方々も多い大学です。2人の専攻の希望はそれぞれ決まっていますが、カリキュラムは日本の大学と違ってフレキシブルですから、恵まれた環境の中で、今後の世界の激しい変化を眺めながら視野の広い学びと人生の開拓ができるだろうと思います。

「あなた方は、もうすでに、ごく普通のことのように地球規模で考えて行動していますね。」

自然な決意に安心すると同時にとても頼もしく感じました。2人に大きなエールを送ります。生徒の未来に、六浦中・高の前進に、「The R.E.A.C.H Program」を創ってよかった…と、しみじみ感じさせてもらったひと時でもありました。おめでとうございます。

<メモ>

本校は2016年10月に、ハワイ大学機構のカピオラニ・コミュニティー・カレッジ(University of Hawai’i Kapi’olani Community College)と教育連携協定を結びました。「The R.E.A.C.H Program(Realize Education Abroad in the Culture of Hawai’i)」という名称で、本校独自の協定です。多文化共生社会で安全度の高いハワイへの進学*1を本校からの推薦で可能にする「六浦中・高」としての協定です。

同カレッジ修了後はハワイ州立のハワイ大学への編入の他、アメリカ本土の4年制の大学への編入が可能*2です。また、希望をすれば修了後に帰国して関東学院大学へ編入することもできます。関東学院大学への編入*3の場合、関東学院大学卒業は半年~1年遅れます。しかし、こうした設計でもその後の進路には高いアドバンテージでしょう。一般的に大学生の海外留学としての主流は、「日本国内の大学へ入学後、交換留学プログラムなどでの短期や長期(1年)の海外留学」です。そうしたプログラムの内実を深く比較すれば、コミュニティー・カレッジでの2年間は修了卒業を目指して単位取得のために一生懸命に勉強して生活する…。そこで身につける力には比較にならないものがあります。そして、帰国後に関東学院大学への編入と卒業です。

手前味噌ですが、高等学校が独自にこのような教育連携協定を持っているところはまだ多くはないでしょう。協定の締結は、本校が在籍者数に比して海外進学希望者が少なくないことがその理由の一つですが、何故これを始めたのか?の理由には背景があります。語弊を恐れずに言えば、「間違いなく進む人口減少で、日本の未来は大きく変わる…その社会への備え方の一つ」です。国内の大学で人材育成をガリガリと進めた高度経済成長期からの考え方…これまでの「進路方程式」が万能ではなくなる社会がくる。進路方程式が全ての生き方に通用するわけではない時代を見据え、未来に向かう人生を本当に主体的に考える必要があります。「The R.E.A.C.H Program」は、そのための一つの進路です。

*1 「The R.E.A.C.H Program」には本校からの推薦としての成績基準があります。また、現在土曜日に開講しているIELTS講座などへの参加条件などがあります。人数の制限は現在のところありません。本人のやる気次第です。
*2 カレッジ修了後、ハワイ大学やアメリカ本土の4年制の大学への編入(進学)も可能です(成績条件あり)。
*3 カレッジ修了後、帰国して関東学院大学へ編入を希望する場合は原則3年次への編入となりますが、本校(六浦高校)を卒業する時点で、関東学院大学への内部進学の成績基準を満たしている必要があります。帰国して関東学院大学への編入の際は入学金免除です。ただし、学部によっては国家資格取得を伴うカリキュラムの関係で編入が難しい場合もあります。