校長のつぶやき(14)六浦祭、今年の進化の一つ「International Lounge」


掲載日:2018.10.26

校長のつぶやき(14)六浦祭、今年の進化の一つ「International Lounge」

今年の六浦祭の大きな特色を紹介します。

色々なプレゼンテーションが催事となった企画「International Lounge」です。内容は、選択制グローバル研修の成果発表や英語によるエキシビション的なディベート大会などでした。参観した生徒、保護者の皆さんや教員は、着実な成長を感じられたことでしょう。

選択制研修の成果発表はどれも興味深いものでした。やはり、主体的な選択のメリットです。今年が初めての「北海道オホーツク研修」の発表も充実していました。興味を持つ生徒たちが希望して参加する研修です。事前学習では、各人はそれぞれ興味関心を学術的に深めて整理し、研修テーマを設定します。そして北海道知床へ。プログラムは小さなトレッキングやクルージング、農業体験、星空観察…と色々。発表者の一人は、人間の営みと野生動物との関係から自然環境を考察するテーマでした。実際に見聞し、事前の考察や自分の仮説を洗い直す。次の学習課題を発見する。自己啓発が起こる…。主体的な研修になっていることを実感しました。

一方、回数を重ねてきたカンボジア・サービス・ラーニング。今年の12月出発で5回目になりますが、研修プログラム自体の歴史を感じました。参加者にリピーターがいることも特色です。経験(具体的情報、印象、活動で持つべき視点…など)が伝承され、現地の小学生との交流プログラムの構成や持参する支援物資にも、リアリティの内実化が増したと感じました。もちろん、参加する生徒それぞれはテーマを心の中にしっかりと持っています。色々な学び方がありますが、主体的な学びは成長を立体的にすると感じます。

ところで、大きなハプニングもありました。オーストラリア・メルボルンの留学報告者の一人、F.R君はプレゼンテーションに用意したデバイスの調子がおかしく、使えない状態でした。調整のための時間が流れる…結局動かない。プレゼンに必須の資料のスライドが使えない!!! 仕方なく一切のvisual aidsなしとなり、英語でのスピーチとなりました。それがなんと立派なスピーチだったことか!ターム留学では短すぎ、もっと学びたいことがいっぱいあったというメッセージを、スライドを「思い出しつつ」、論理的に語るプレゼンテーションでした。英語もナチュラルでした。

英語でのディベートを自主的に学ぶ生徒のグループのエキシビションも立派でした。多くがタームや一年の留学経験者ですが、英語で論理的に考え、発表することの大切さを感じているからこそ、こうした主体的で自主的な企画を生み出せる。六浦の進化を感じる半日でした。

追記:一般社団法人日本ワーキングホリデー協会によるプレゼンテーション「気づきが大事!留学セミナー2018」も行われました。日本企業の留学経験者への求人の増加の理由について、対外貿易の地域別推移や全般的な国内情勢からの分析、留学経験による成長の差異への評価などのお話をいただきました。日頃、校長が話すことよりも生々しい実態が見えるお話でした。文化祭にふさわしいプレゼンでもありました。企画「International Lounge」は、明日も同じプログラムがあります。