海外大学レポート~Queensland University of Technology(オーストラリア)~


掲載日:2026.06.15

海外大学レポート~Queensland University of Technology(オーストラリア)~

現在私は、Queensland University of Technology(クイーンズランド工科大学)の2年生で、大学ではInformation Technology(情報技術学部)に所属しており、その中でもInformation System(情報システム)という分野を専攻しています。オーストラリア・ブリスベンでの生活は2年目を迎え、留学生活もあっという間に残り半分となりました。大学2年生で既に留学生活が半分を終えているということに違和感を覚えるという方もいらっしゃるかもしれませんが、オーストラリアの大学の多くは3年制を採用しているため、3年間で学位を取得して卒業するというのが一般的だからです。

大学での学び

InformationTechnology(IT)の勉強と聞くとプログラミングを行っている姿を想像される方が多いかもしれません。しかし、私が専攻しているInformation System(IS)という分野はそれらとは少し異なります。簡単に説明するならば、ISとは「ITという道具を使って、社会や企業が抱える課題や問題を解決する仕組みを提案すること」です。つまり、世の中の不便やビジネスシーンにおける問題点を、ITを用いてどのように解決していくかという業務の流れ(ビジネスプロセス)を学んでいます。

大学での授業は主に、「Lecture(講義)」と「Tutorial(チュートリアル)」という2種類の形式で展開されています。Lectureは、大きな講義室で大人数の学生に向けて先生が解説を行い、生徒は主体的に話を聴いて知識をインプットする場です。一方のTutorialは、20人から30人ほどの少人数クラスに分かれ、Lectureで教わった内容をベースにしながら、実践的な演習やディスカッションを行うアウトプットの場となっています。私のようにITを学んでいる場合、授業によってはWebサイトを作成するようなコーディングに取り組むこともありますが、IT分野の中ではかなりビジネスに根差した勉強を行っているのがISの特徴です。

私が進学先として選んだクイーンズランド工科大学(QUT)は、「The university for the real world」日本語で言えば「実社会のための大学」ということをスローガンとして掲げています。その名の通り、この大学では実践することを重視していて、ただ学ぶだけではなくあらゆる実践を通じて実際の現場ではどのように使われているのかということを学ぶことができます。

学生の住まいとしては、シェアハウス、学生アパート、各大学が運営する寮が一般的です。意外に思われるかもしれませんが、民間のシェアハウスを探す際は「Facebook」を通じて行うのが主流となっています。各都市ごとに存在しているFacebook内の日本人コミュニティやシェアハウス募集グループから、自分の気になる部屋を見つけ、内見や入居の申し込みをオーナーへ直接行います。私も現在は、この方法で見つけたシェアハウスで暮らしています。

一方で学生アパートの場合は、様々な企業が都市部や大学の近くを中心に運営しており、各社のWebサイトから直接応募します。アパートには、キッチンや水回りをすべて一人で占有できるスタジオタイプと、個人の個室はありつつもキッチンやシャワーを共有するシェアハウスタイプの2種類があります。私自身も、渡航してからの最初の約9ヶ月間はこの学生アパートのシェアハウスタイプで暮らしていました。私を含めて8人で1つのキッチンを共有し、シャワーとトイレは2部屋に1つ割り当てられていていました。

オーストラリアについて

オーストラリアは日本と真逆の南半球に位置しているため、季節の移り変わりが日本とは反対になります。一般的に海外大学の年度初めは9月頃ですが、オーストラリアの場合は季節に合わせて年度の初めが2月となっています。ブリスベンは年間を通じて天候に恵まれ、夏は30度を超えますが日本よりも湿度が低く過ごしやすい気候です。しかし、冬の時期になると一転して寒暖差が激しく、日中が22度前後であっても、夜間には一桁台まで急激に気温が下がるという日もあります。

基本的にオーストラリアでは地震や台風(現地ではサイクロンと呼ばれています)などの災害が起こることは滅多にありませんが、裏を返せばオーストラリアに住む人達はそれらの災害に慣れていないため、いざそのような災害が発生した場合には学校や交通機関などに大きな影響を与えてしまいます。
実際に私は、2025年にサイクロンがブリスベンに接近・上陸したことを経験しました。この地域にサイクロンが直撃することは非常に珍しいらしく、ブリスベンでは実に50年ぶりの出来事だったようです。それほど異例の出来事であったため、上陸の前日にはブリスベン中のあらゆるスーパーに行列ができ、店内のほとんどの棚が文字通り空っぽになるということが起こりました。

休日に関しては、日本のようなゴールデンウィークほどの長期の祝日はありませんが、クリスマスのある12月25日とその翌日は祝日となり、学生は基本的にクリスマスウィークの1週間が休みになります。クリスマスの当日はスーパーを含めたほぼすべての店舗が終日休業となるため、この日ばかりは街中での買い出しが一切できなくなるというのも驚いたことの一つでした。

さて、オーストラリアは世界的に物価が高い国として知られています。ですが、学生ビザであっても2週間で48時間以内の就労が許可されており、時給も通常のものがそのまま適用されるため、アルバイトをしていれば生活費についてそれほど心配する必要はありません。現在、現地での平均時給は約30豪ドルで、2026年6月時点のレート換算では日本円で3,300円ほどになります。さらに土曜・日曜は時給が25%増の約36ドルになり、祝日に至っては2倍の約60ドルという給料が適用されるため、アルバイトだけで家賃や食費などの生活費を自分で稼ぐことが可能です。実際に私自身も、アルバイトの収入のみですべての生活費を賄っています。

また、ブリスベンがあるクイーンズランド州では、公共交通機関の運賃が一律50セント(約50円)という破格の安さに設定されています。バスや電車、さらには街の中心を流れるブリスベン川を運航するフェリーを含めたすべての公共交通機関が対象となっています。どれだけ遠くまで移動しても片道わずか50セントですので、日々の交通費はかなり低く抑えられています。さらに、ブリスベンでは国土の広さを活かした都市開発が進んでおり、バス専用道路や自転車専用道路が非常に発展しているほか、街中では電動キックボードのシェアリングサービスも多くの人々に利用されています。

海外大学へ進学した理由

最後に、私が日本の大学ではなく、海外の大学で学ぶことにした理由は、若いうちに海外を経験することができるチャンスがあるにも関わらず、挑戦しないまま日本に残れば、自分の視野を広げるチャンスを失い、後悔すると思ったからです。もともと私は、高校3年生の時点までは日本国内での進学一本しか考えておらず、海外への進学は視野に入れていませんでした。ただそんな私だからこそ、あえて海外という全く異なる環境に身を置いたときに、自分自身がどのように変わるのか、あるいは変わらないままでいるのか、その結果を確かめてみたかったというのが大きな理由の一つです。さらに、一度日本を離れて外から日本という国を見たときに、自分自身の価値観や物事への考え方がどのように変化していくのかが気になったという好奇心もありました。

ですので、私が海外への進学を決めたのは半ば直感的なものであったとも言ってもいいかもしれません。たとえその選択が自分の期待通りにならなかったとしても、その選択をしなかったことよりは、ずっと価値のある良い選択になるはずです。もし今、進路の選択に迷っていたり、海外に少しでも興味を抱いたりしている人がいるならば、ぜひ自分の心にあるその小さな好奇心を裏切らずに挑戦してみてほしいと思います。