校長のつぶやき(110)黒板、ありがとう
掲載日:2025.08.22
今回の『・・・つぶやき』は、それらしく・・・つぶやきます。
今年の夏休み、本校(舎)は猛暑の中、短期集中での突貫工事でした。全館教室のホワイトボード化とワイド型プロジェクターへの入れ替え、2号館の女子トイレの改修が行われました。そして礼拝堂ではパイプオルガンのオーバーホールが行われました。
2025年、ホワイトボード化と最先端のワイド型プロジェクターへの交換。関東学院六浦中・高に入職着任が2014年で、真っ先に着手した事業は2015年4月からの全館ICT化と(電子黒板型・短焦点)プロジェクターの設置でした。そこから授業の可能性が4次元的に伸び、学びの個別最適化が進み、共同学習の進展が様々にみられるようになりました。そしてちょうど10年。新しい学びへの変化に向けた新しい教育環境の整備を、校長の最後のプロデュースとしました。新たな可能性を可能性だけに留めないこと。学びを社会に繋ぎ未来に結ぶこと。そのためのツールの準備です。
ワイド型プロジェクターは、画像をこれまでの黒板と同じ大きさのホワイトボードの全面に映し出せます。最先端の電子黒板機能で画面分割(2~8分割)もでき、一度に複数のウインドウの整列配置が可能です。それぞれの教科で多様な活用が期待できます。アクティブで効果的な授業活動が可能となります。一方で生成AIはますます進化する社会です。その活用でアップデートできる多くのオリジナル教材もホワイトボード上の複数ウインドウで適時に共有でき、授業の活性化が進むでしょう。

工事の最初の段階(黒板の撤去作業の8月4日)で、現場主任さんに呼び止められました。
「やさしい生徒さんが多いんでしょうね。校長先生、これを見てください。数々の現場を経験してますけど、こういうのは見たことが無かったです。」
廃棄黒板の一枚が積み込みの順番を待っていました。なんだかとてもジーンと来ました。時代の変化で過去になっていく風物への郷愁が一気に去来しました。
さて、長いことオーバーホールをしてこなかった礼拝堂のパイプオルガン。同窓会と保護者会の皆様のおかげで、この夏一か月をかけて分解されました。気が遠くなるような、千本を超える全てのパイプ内の掃除と機械の細部にわたる点検と調整に修理、そして調律。学校70周年の主たる記念事業です。無事に終了して安堵しています。
写真は、調律が行われている段階(8月6日)のものです。パイプは掃除と修理が終わってオルガンボックスに再収納され、ピアノとは違って空気の振動が相手の、微妙で細密な調律が進められていました。六浦中・高に、かつて、いま、そして未来に集う者の心に響く、素晴らしい音を奏でてくれるでしょう。
