【選択制グローバル研修】釜石防災研修


掲載日:2023.10.24

 本校で実施している選択制グローバル研修の一つ「釜石防災研修」が、8月21日~24日に行われました。

 岩手県釜石市は、魚と鉄とラグビーの街として有名ですが、2011年3月11日に起きた東日本大震災で、津波の被害を大きく受けた街でもあります。被害を受けた釜石ならではの防災研修を、中学1年生から高校2年生までの22名が受講しました。

 地元の方々から釜石と東日本大震災の歴史や釜石への想いを聞いたり、当時の釜石中学校の生徒さんのお話をもとに、避難路を実際に歩いて追体験したりして、東日本大震災をより現実にとらえ、命を守る行動の大切さ、日々の避難訓練などの防災意識の重要さを学びました。

 【実際に到達した津波と同じ高さのモニュメント】
        【避難路追体験】

 地元の漁師の方々とも交流し、魚の街としての釜石を体験しました。実際の漁船に乗り沖合に出てイワシのいけすの見学や、港ではウニ剥きをしてウニの試食もさせていただきました。海の恵みや自然の美しさを感じることができました。 

 また、震災前に元々小中学校があった場所に建てられた釜石復興のシンボルである「釜石鵜住居復興スタジアム」にてスタジアムの歴史を学び、実際にグラウンドにおりて地元のプロラグビー選手達とラグビー体験もさせていただきました。人の想いの上に建ったスタジアムでの、特別な体験となりました。他にも、震災からの復旧・復興に向けて整備が行われた水門防潮堤とその操作室の見学や、チームで協力して身近にあるものを防災グッズに工夫しながらゴールを目指す防災運動会、災害時に自分の安否と避難を促す安否札づくりなど、地元の方々の経験や知識をもとに様々な体験をさせていただきました。

    【ラグビー体験】
   【漁船に乗って沖合へ】
   【新鮮な生ウニを試食】

 本研修は、今後自分たちが災害に対してどのような備えをすべきか、どのような行動をとるべきなのかを深く考えさせられる4日間となりました。参加生徒からは、「この4日間、釜石で学んだ防災の知識や備えを、神奈川に戻ったら自分から伝えていきたい」「他人事ではない。震災に対してより現実味が増した。」などの声もあがっていました。いつ起こるか分からない災害に対して自分事と捉え、実際に見て、触れて、感じることでより強い防災意識が芽生えた、有意義な研修となりました。

   【水門防潮堤の見学】
   【防災運動会のようす】
  【安否札づくりのようす】

 本研修で実施したすべてのプログラムは、釜石市の行政関係者やNPOの方々、地元の方々の多大なご協力のもと行うことができました。感謝を持って、この4日間を通して得た釜石市での学びを、これからの生活や学習の中で活かしていきたいと思います。