校長のつぶやき(112)2025年六浦祭


掲載日:2025.10.26

あいにくの天候にもかかわらず、今年もとても多くの方々のご来校をいただきました。

今年の六浦祭のテーマは『CONNECT』でした。生徒会は、「人と人」「地域と学校」「過去と未来」など、さまざまな形での「繋がり」を大切にすることをテーマとしました。テーマの決定を聞いたとき、この数年で深化(進化)してきた様々なタイプの学びの随所に織り込んだ「学びを社会に繋ぐ、未来に結ぶ」という新しい学びの精神が、キャッチフレーズに終わらずに形になってきた!と、とても嬉しく思いました。

六浦祭は年々進歩し、社会性が増すとともに総合的な楽しい行事になってきました。それは生徒の主体性が大きな特徴となってきたことと比例します。また今年グラウンドでは、サッカー部とイギリスから来日のチームとの記念試合が催されました。

六浦祭は中学から高校までのイベントです。中学は基本的に日頃の学習の成果や内容を披露しますが、高校生はクラスや部や有志が主体となってテーマに沿ったものや趣旨を活かした活動、またお祭り的な活動が展開されます。その層が厚くなってきました。また、各ジャンルでの出展やパフォーマンスのレベルも過去最高と感じました。また、先進の本校のICT化が活動の中に浸透し、全ての販売会計もキャッシュレス決済(2022年~)のみで、どこもスムーズなのです。

どこの学校祭でも賑わうのは飲食の模擬店です。食品ロス削減と地域の魅力発信をテーマにした高校1年生のクラス。ご協賛をいただいた「株式会社 かをり」様のアウトレット洋菓子を提供していました。インターアクト部は、売上全額をがん患者支援に寄付するマヌカハニーと生姜のレモネードの販売でした。時々雨の中でも中庭テントで横浜と東京のラーメンの味をテーマにした高校2年生の3店舗。この3店舗だけでも2日間販売合計で約1700食になったとか。

化学部、家庭部、写真部、軽音楽部、茶道部、図書委員会などは例年のとおり安定感のある定番の活動を見せてくれました。ラグビー部などの体育会系部活も特色ある出展。国際センターでは6人6カ国の留学生が中心となり、来場者に世界の国々についてのクイズ・ゲームの展開。今年4月に世界5カ国の67校の高校生が集ったサイエンスキャッスル・シンガポール大会へ出場した生物部は、日々の成果や採集した生物などを展示・発表・実演披露するなどで、「種の多様性展」を大規模に開催していました。

アトラクションを追求した展示も飲食の場を提供した展示も、工夫を凝らすものから簡素のように見えるものまで質の高いものがほとんどでした。本校の特色の1つの鉄道研究部、巨大ジオラマでの大教室での鉄道模型展示。今年はさらに巨大化していました。中庭では雨混じりのなか子どもたち向けにミニ鉄道をガタン、ゴトンと運行。いつものように遊園地のようでした。

中学の学年展示は基本的に学習発表の場です。とは言っても、オーソドックスのようで実は違う、深かった。1年生は「発見!地域の課題・解決策」をテーマに個人やグループで、自分ができる解決策を新聞風にして提案発表。記事作文は新聞記者の方からの特別指導もある授業で定評になってきたNIE。NIE認定校連続4年目の授業の成果でしょう。

中学2年生は新たな取り組みとして、学習成果の展示の他に各クラスで選ばれた学習成果の発表が行われました。夏休みに各教科で出された自由研究(探究)をもとにする7~10分のプレゼンテーションです。その中の発表の1つ。本校の土台であるキリスト教の授業「聖書」篇。旧約聖書のなかの「ノア箱舟」をテーマに、全世界の動物を‘一つがい’ずつ船に載せて一年間漂流できる船の考案のプレゼンがありました。教科横断型での知識を使ったコンセプトやアイディア、設計図がとてもユニークでした。数学や理科で学ぶ事柄を日常的なものへの関心と絡めて探究したプレゼンもありました。

高校GLEの3学年は大教室での合同で、高度な英語やアカデミックラボの授業で取り組みを紹介していました。社会と繋がる、世界に通じる生きた学びが見えるパフォーマンスでした。

そして、保護者会の皆様の情熱あふれるご協力による出展の数々。六浦祭のテーマに沿った金沢区オリジナル名産品の販売から、この12年で伝統となったベトナム・フォーをはじめとする温かで優しさにあふれる食事メニューの提供、リサイクル品、子どもたちに役立つ手作り製作品の販売が行われました。

外のにぎわいの音、弾む声、中ではプレゼン会場などのリトル・アカデミックな緊張感。それらの空気に漂う食べ物の香りにミニ電車の遊園地の様にも聞こえる響き。眼を閉じると不思議な感じの一体感。校長としての手前味噌ですが、「ウ~ん!これぞ、六浦中・高、六浦祭だ!」 私はしみじみ感じました。全シーンが眼と心に刻みこまれるようでした。

しかし、24日(金)、25(土)、2日間とも雨混じりのため、屋外ステージやステージ演目は中止となりました。この日に向けて準備してきたのに…と、私は、ステージ関連の生徒たちの悲しみと寂しさを深く覚えました。せっかく準備してきたのに、恨めしい天気でした。申し訳ない気持ちでいっぱいでした。来年は屋外ステージにステージ・カーなどをレンタルしてもらいましょう。これくらいの天候では流れない、潰れない・・・それがいい、そう思いました。

でも、負けない元気も見せてくれました。ステージは無くなりましたが、小学生や幼稚園の子どもたち向けに?アトラクションを用意した高校2年生の「アンパンマン・チーム」。曇天に加えて薄暗くなってきた六浦祭終了間に、あでやかでも少しコケティッシュに登場。サプライズです。えっ? どこから来たの??? ・・・この写真のとき、担任の先生が見事に扮している「ジャムおじさん」はどこかに隠れてしまいました、残念です。が、私も写っています。

ご来場、ご来校頂きました皆さま、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
最後に、生徒会、六浦祭ヘルパーの生徒のみなさん。最後までゴミ分別場の前で呼びかけていた係生徒のみなさん。六浦祭がすばらしい総合的な祭典になりました。おめでとう。ご苦労様でした。