【生物部】サイエンスキャッスル・シンガポール大会で発表


掲載日:2025.05.02

生物部の高校生が4月12日(土)、シンガポールで開催された「サイエンスキャッスル・シンガポール大会」でポスターセッションに参加しました。事前に提出した英文の申請書(発表内容を1,000単語ほどで記載したもの)により選ばれたチーム67校が参加しました。シンガポールの学校が多かったですが、フィリピンやマレーシア、イギリスなど、多くの国から中高生が集まっていました。日本からも本校を含め3校が参加しました。

本校が参加したポスターセッションは、模造紙に研究内容を分かりやすく表現し、そのポスターの前で来場された方々に向けて研究発表し、ディスカッションするというものです。ディスカッションでは、相手に理解してもらうために、自らの研究の周辺内容まで深く調べ、過去の文献も熟読しておく必要があります。また、ディスカッション相手の意見から新しい視点での見方や情報を得ることができ、研究を進める上では大変プラスになります。

今回参加した部員たちは全員英検2級か準2級に合格しており、国内の研究発表コンクールであるマリンチャレンジプログラムに2回参加し全国大会へ進んだ生徒や、サイエンスキャッスル・関東大会へ2回出場し、ISAPという環境問題に関する国際カンファレンスに招待され、発表した経験をもつ生徒もいました。場数を踏んできただけあってある程度、発表度胸はついていたのですが、英語でのディスカッションにはかなり苦労していました。

生徒たちは大会へ参加するたびに一回りも二回りも成長してきました。今回の経験も、これからの進路実現に向けて大きな力となり、さらに活躍してくれることでしょう。

今回の大会参加にあたり、ご家族のみなさまや多くの先生方からたくさんのご協力をいただきましたこと、感謝申し上げます。

※ 発表に使用したポスターは本校2号館3階の生物実験室前廊下に掲示しています。

また別件ですが、生物部の高校1年生を中心としたチームが、マリンチャレンジプログラムに申請し、採択されました。採択されたのは全国で40チームだけです。今夏7月末に関東大会へ出場します。今回は音に関する実験を計画しており、関東学院大学の先生にアドバイスをいただきたいとお願いしましたところ、快くお引き受けいただきました。結果等については、改めて学校WEBサイトにてご報告いたします。

【今回の発表内容要約】

平潟湾は江戸時代には歌川広重によって浮世絵に描かれるような風光明媚な所だったが、その後の埋め立てや高度経済成長期の人口増加によって水質汚染が進み、ヘドロや有害物質で汚染された死の海となった。野鳥をふくめ生物はほとんどいなくなり、かろうじて残ったハゼは「お化けハゼ」と呼ばれる奇形となり、日本一汚い水質として新聞に取り上げられるほどとなった。平潟湾を埋め立ててしまおうという計画が持ち上がったが、市民の協力や横浜市の活動で、多くの生物が生活する豊かな海になった。(COD〈化学的酸素要求量〉の結果で水質を示す。)

50年ほど前からは水質には大きな変化がないが、生物相に変化がある。2000年に神奈川県の水産試験場が平潟湾の生物について詳しいデータを残している。そこで、私たちは2023年から同じ場所で生物相の調査を続けている。2000年のデータと比較することで約20年間での変化が明らかになった。その中で特筆すべきは、南方系魚種が増加し北方系魚種が減少したことである。平潟湾でも明らかに地球温暖化の影響が表れている。今後も生物部は平潟湾の変化を見守り続けたい。