校長のつぶやき(51)「2020年度の前進」

掲載日:2021.03.23

2020年度修了式を終えました。
修了式のメッセージでは、ここ1、2カ月のニュースから読み取るべき社会の動きを紹介しました。それらが2020年代に急劇に発展する可能性があるということを語りました。
生徒たちは2020年代を「生徒」あるいは「学生」として過ごします。そしてその先、大人の世代が知らない、これまでの経験が通用しないイノベーションの中に生きていきます。それゆえ、変化と変化の先を注視することがとても大事です。学校は、未来社会に向かうトンネルを走る列車であってはいけない。学校は生徒にとっての展望列車でなくてはならない。六浦中・高はその役割を果たすべきと考えています。

「地道な勉強」と「未来への展望」をバランスよく学習活動の中に取り込む。六浦中・高はこの6年間、教育の仕掛けづくりをどんどん進めてきました。その数々の仕掛けを合理的かつパワフルに活性化したのは2015年度からの学校ICT化です。2018年度からの全生徒のChromebookの個人所有で、さらにICTの活発な利用が加速しています。2020年度は嬉しい果実を得ました。

2020年度はコロナ禍でも授業はほとんど止まりませんでした。登校と在宅での授業をハイブリッド型on-line活用で展開しましたが、嬉しい果実というのは間違ってもその面ではありません。Chromebookの導入時に掲げた「学びの個別化」が見え始めたことです。学習の個別最適化の推進、適性を考えた教育の充実はこれからの社会にますます必要な教育の観点ですが、ICT化の推進で教員全員がそれを自分事として感じ始めています。

成果をいくつか取りあげます。

「第17回すららカップ」で、4名が表彰される!


2018年Chromebook導入と同時に「すらら」などのe-learning教材を学校として取り入れました。学校での学びを補完したり発展させたりと学びの個別最適化を目指すものです。その活用の結果が現れました。2020年12月から2021年1月にかけて開催された全国規模での「第17回すららカップ」で、全体個人部門で全国第3位1名(4年男子)、ミッション達成部門2名(4年男子、2年女子)、皆勤賞1名(4年男子)の表彰がありました。全体個人部門で第3位の生徒は、「すらら」本部からon-line表彰式(配信)へ招待されています。「すらら」の利活用では本校なりの「すららサイクル」を設定し、生徒にミニマム・エッセンスを課していますが、生徒の自己啓発的な学習活動が促進されています。(いつでもどこでものChromebookは日常的に役立っています。例えば、中1から高1までの英語の教科書は音声e-learning教材がついており、生徒の学びがいつでも教室での授業に繋がります。)

ベネッセの総合学力調査で成果!


2020年度ベネッセの総合学力調査で中2から中3の経年比較で、中上位層の増加と下位層の減少という結果がでました。本校としてはこれまでにない状況で嬉しい成果です。実は、Chromebookの活用での学習方法が功を奏していると見ています。2018年度のChromebookの導入で3年生は週1時間、学校設定科目として教科横断型「文章力向上講座」を実施してきました。朝日新聞に掲載の記事、写真、図表などを活用する総合学習教材としての『今解き教室』と『朝日中高生新聞』を毎週生徒のChromebookに配信して取り組ませています。今年度のベネッセの総合学力調査の結果では、特に教科融合型分野の解答力が国語力分野の伸長以上に伸びていました。「文章力向上講座」は週1時間とは言えChromebookで行うため、日常的なon-line学習となります。個別化の深化と自学的態度を育成する指導を簡便かつ合理的に展開しています。(2019年度から達成度の測定の目安として『文章読解・作成能力検定4級』を学年全員が受験しています。2020年度から講座コンテンツと教授法の改善を進め「言語力活用講座」と改称して実施。2021年度には中2にもシステマティックに導入されます。……なお、教材の『朝日中高生新聞』のデジタル版は本校から朝日新聞への依頼で、日本国内初の学校導入です。)

社会連携教育の推進で京急電鉄様とのコラボ!


京急電鉄様と関東学院六浦高等学校とが連携で、2021年1月8日〜3月31日まで「横浜市金沢区の魅力を伝えるインスタグラムアカウント『スミコロ』を開設しています。本校にとってはまさにPBLタイプの学びの機会となりました。プロジェクトの趣旨は「普段金沢区で生活する地元高校生ならではの視点で『意外と知らない金沢区』を発信…高校生がまちを自分たちの足で歩き、発見した金沢区の良さを写真や動画を用いて、みなさまにお届けいたします」(京急電鉄公式HP「おしらせ」1月8日記事から)。コロナ禍でこの活動も当初の予定よりも発信に至るまで長期に及びましたが、ICT環境が生徒の日常になっていることの強みがあります。京急本社と学校と生徒自宅とon-line上での準備と活動が展開されました。

「みなとまち バーチャルEARTH Fes~変化の波に乗り遅れるな!~」に参加!

一般社団法人 関内活性会の主催で、大人たちが取り組んでいるSDGs推進事業を、将来を担う子どもたちに伝えるをこと目的にWEBサイト上で開催されたon-lineのイベント(2021年2月17日(水)~28日(日))でした。3Dで表現されたバーチャル空間を回遊しながらSDGsについて楽しく学べる、新たなアースフェスでした。本校の展示ブースでは中学生と高校生の有志グループが9つのコンテンツ(動画やスライド)を、また中央ステージでは1年生のグループがプレゼン出演しました。

Google for Education事例校に認定!


2020年10月1日、教育のICT化活動がGoogle社から「Google for Education事例校」としての認定を受けました(HPトピックス3月5日記事)。本校でのChromebookやGoogle for Educationを広く活用した「教育のICT化」の仕組みや質の高さが認められた証です。Chromebookを積極的に活用し、中学校でのオリジナル授業「地球市民講座」では調査・研究、活用シーンとしてはon-lineライブ授業、ウェブ型学習の教材、ワークシートでの演習やレポートの相互のやり取り、発表会でのプレゼンでの利用、個別調べ学習、部活や生徒諸活動に至るまで、活用方法は多岐にわたって進化してきました。生徒たちは、Google Classroom からGoogle ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライド、Google フォーム、Google Meet まで、「G Suite for Education」が提供するアプリケーションを幅広く使いこなしています。グループ・ディスカッションやプレゼンテーションの準備が場所と時間を選ばない優れた機能は学習活動を深化させています。教員も同様で授業や活動だけではなく、各種の会議ではon-line上での資料の共有はもちろん、開催自体も適宜にon-lineにもなり積極的に活用しています。2020年度は「紙」の消費もグーンと少なくなっています。「紙」の消費で言えば地球にもやさしいはず。

振り返ると、この6年間提唱してきた「生徒の学びを未来に繋ぐ」が見える形になってきたと感じています。地道な学習と視野の拡張を目指した2020年度でした。2021年度はさらに進化します。