受験生の皆さんへ/to Student

2016年度入学式における校長メッセージ

4月5日(火)に行われた、2016年度関東学院六浦中学校・高等学校 入学式における校長メッセージです。
(式辞―抄―:形式的な挨拶部分を省略、要約です。)



聖書 イザヤ書 43章19節
「見よ。新しいことをわたしは行う。今やそれは芽生えている。」

 皆さんは新しい出発に際し、期待と慶びでいっぱいのことと思います。同時に不安もあるでしょう。関東学院六浦は、皆さんがそれらの思いを力とするため、挑戦すべき課題をしっかりと発見し進んでほしいと願っています。

 それは、未来が、人工知能やロボット、ICTの発達やグローバル化の加速などで想像もできない社会になるからです。また、今日本は今少子高齢化と言われていますが、昨年の国勢調査では人口は5年前と比べ約95万人少なく、未来は人口減少の流れの中にあるからです。10年後、20年後、想像が難しい社会に皆さんは生きていくことになることを覚え、六浦で逞しく成長してほしいと願っています。
 社会の変化は、世界の情勢とともに考えなければなりません。グローバル化でボーダーレス化する中では、人口は言葉の問題にも関係します。日本の0歳から14歳までの人口は現在1,700万人、経済成長の著しいASEAN諸国は日本の10倍の1億7,000万人です。ASEANの多くの若者が英語を使います。あるデータでは、2020年には世界の18歳から22歳の人々の半分が、インド、中国、アメリカ、インドネシアで占められ、それに次ぐフィリピン等を加えれば、世界の半分以上の若者が英語と中国語を話す人々となると言われます。皆さんの10年後には、言語力は生きる力そのもの、英語は基本的に人生の鍵となります。英語を「教科」と考えず、豊かな人生と平和を創造するための「力」と考え、習得に励んでください。
 「感性が柔軟なうちに、多くを経験する」。そのためのプログラムをたくさん用意しています。これは英語教育と同様です。グローバル化による変化を僅かでも体験し、恐れずに向かって行く力をつけてもらいたいとの必然的な思いからです。
皆さんの新しい生活には、新しい友人との出会いがあります。多くの交流を通して大きく成長していくことを願っています。また、ボランティア活動などを通し、社会との今まで知らなかった繋がりを理解することを願っています。
 関東学院六浦は、「人になれ 奉仕せよ」を校訓に掲げ、自分が社会のどこかに繋がっていることを実感しながら学ぶことを皆さんに求めていきます。チャレンジすることを恐れず、進むことに躊躇せず、様々な活動に励み、今まで自分が知らなかった事にたくさん気付き、気付きの中で、できることややるべきことを発見する。一つ一つの経験を通して、視野を広げ、遠くを眺め、人々や社会とのかかわりの中で生きていることを学び、成長することを願います。
 しかし、人の成長は一筋縄ではいきません。順調に進む人生もそうめったにありません。悩み、傷つき、苦しむこともあるでしょう。しかし、それでいいのです。それは必ず誰もが経験します。ただし、開き直るのではない。人は弱いものであることを知って初めて、本当の強さを知るからです。毎日の祈りの中で、人間の弱さを見つめ、自ら受けとめる姿勢を考えます。皆さんは学びます、自分の弱さを知り、弱さを認めることができて初めて、他者も自分と同じように大切に思えるようになることを。聖書に書かれている「自分のように隣人を愛する」ことを真剣に考えるようになります。皆さんは学びます、「人生は自分で何とでもできるものだ」と思ってきた人生が、実は、自分ではどうすることもできないものを持っているのだということを。同時に、「自分で何とでもできるもの」と短絡的に考えることの危険を、命の大切さとともに学んでいきます。そして、見えないものの存在を考える機会が与えられていきます。時代が変わっても揺るぎなく、見るべきものを学んでいきます。
 皆さんは、10、20年後、想像も難しい変化の社会に生きると言いました。それに備えて、六浦で一生懸命に過ごしてください。一生懸命に過ごすということは、必要以上に過去に捕らわれて頑固にならないことです。今持っている力と、ものを見ているその見方に捕らわれて躊躇したり、足をすくませたりしないこと。新たな変化に気おくれせず進み、積極的に学んでいくことです。
 1800年代に活躍したイギリスの自然科学者で、「自然選択説」を唱え生物の進化を考えたダーウィンは、次の有名な言葉を残しています。「生き残る種とは、最強の種というわけではない。また、最も知能の高い種というわけでもない。生き残る種とは、変化に最もよく適応した種である」。
 頑なにならず、変化を感知し新しさを学ぶこと。しかし、同時に人間の弱さを知り、強さを覚えること。それを心に留め、元気に学校生活を始めましょう。
今日皆さんに示したイザヤが伝える神様の言葉、「見よ。新しいことをわたしは行う。今やそれは芽生えている」。この言葉を心に留め、勇気をもって歩み出しましょう。


2016年4月5日
関東学院六浦中学校・高等学校
校長 黒畑 勝男