受験生の皆さんへ/to Student

新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。
新春にのぞみ、関東学院六浦中学校・高等学校よりご挨拶を申し上げます。


 今や国外に限らず国内でも、社会のあらゆるところでグローバル化が進んでいます。小中学生の子どもたちが社会で活躍を始める時にはさらに進んでいることでしょう。職業や仕事のあり様も大きく変わることが予想され、近未来も読みにくい現実です。本校はこうした社会状況を眺め、一昨年の2014年度より新たな展開を始めました。しかし、グローバル化へ対応する教育の風潮に対しては、日本政府の経済政策への迎合という厳しい意見があったり、学校が「人」を教育する使命を忘れた、企業の海外戦略への追従という批判もあったりします。ただ、現実的に眺めれば、日本の地勢的環境から生じる子どもたちの思考傾向のガラパゴス化を避けなければなりません。国内の多くの職場にも様々な国籍の人々が増える現状を考えるだけでも、これまで以上に根幹から「生きる力」や「平和を生み出す力」を考えることが必要であることを知るからです。

 関東学院六浦中学校・高等学校は、一昨年の2014年度より新たな展開を始めました。中高一貫校として、6年間を預かる教育を、どういう狙いでどれだけのスパンで捉えるかが重要な観点と考えています。本校がこの2年間合言葉のようにして唱えてきた「10年後、20年後の社会を見据える教育」とは、今の小学生や中学生が自立して生きる時の社会を見つめ、生き方と生きる力を考える教育です。生徒たちが10、20年後に独り立ちし、社会の若い担い手としてまた中堅として働くため、そして社会に貢献するために必要な力を考え、それを備える教育を追求しています。

 TPPなどの国家間の経済連携によるグローバル化は、社会のボーダーレス化を加速させます。さらにそこへ人工知能の発達による社会のインフラや職業の大きな変化が重なります。しかし、学校でも家庭でも、私たちが持つ未来社会に対する展望は過去の経験則に立つものがほとんどです。ボーダーレス化が進む10、20年後の社会を考えるには、いま学校が持つ社会観や教育観には使えない尺度のものが少なくないと感じています。典型的な例はこれまでの英語教育です。個性を考えない、使えない内向きの教育の実、成果の追求とその尺度ではいけません。

 本校は、必要な基礎的な知識や学力について見直しをすすめています。もちろん日々の学習、知識の吸収に堅実であることは当然です。しかし、必要な力とは何かを考えるため様々な取り組みを始めました。協働する中で学びつつ、コミュニケーション力を育てながら着実に基礎力をつけること、そして、英語をツールとして真に捉える環境で英語を習得していくこと、これらを目指しています。

 学院法人本部の大きな投資を得て、2014、15年度は教育改革、環境改善を進めました。2015年3月、特別教室を含む全教室95%の教室に電子黒板機能つきのプロジェクターを設置し、全教室にLAN環境を整備しました。横浜でも屈指の環境を誇ります。教員は全員がタブレット端末を個別に持ち、授業の活性化と効率化を目指しています。そのための教員研修も推進してきています。数年の内には全生徒が自分のタブレットを持ち、有効に活用して生きる力に必要な学び方を学ぶ力をつける学習環境となるように準備を進めています。

 英語の授業では、2015年度の中学1年生から週6時間の授業をTT(ネイティブ教員とのティームティーチング)で行っています。中1の一学期は聞くこと、話すことに徹底した展開です。英語は「教科」ではなく「言葉」として、英語への抵抗感を持たせない学びを目指しています。さらに、2016年度からは英語運用力の進んだ生徒には取り出しの特別授業を展開します。

 総合的な学習では学校設定科目として、世界の宗教の違いや文化・生活の違いについて一年をかけて学ぶ授業を設置しました。感受性の指向が「柔軟」な中2と中3のうちに、様々な機会を通して地球市民的に学び、多面的に眺める姿勢を育てています。同時に、プレゼンを協働で行う活動などを通して自己啓発的に発信する意欲も育てています。また、実学的に経験化させる研修の数々を、学年を跨いでの選択研修として用意しています。

 どの子にも、机上の学力だけではなく、未来社会に生きる力を付けさせること。生きる場を、生活の場を、将来の職業を目先の関係だけで捉えさせないこと。10、20年後に必要な「生きる力」を「未来との衝突にしっかり備える力」として捉え、教育を考えます。関東学院六浦中学校・高等学校は、今年もいっそうこの教育力と環境を整えていきます。今年度もどうぞよろしくお願いします。

2016年 元旦

関東学院六浦中学校・高等学校
校長 黒畑 勝男(2014年度就任)