教育基本方針/Basic Education Policy

関東学院六浦中学校・高等学校 教育基本方針

前文
(歴史)

関東学院六浦中学校・高等学校(以下本校)は、その源流を横浜バプテスト神学校(1884年設立、校長A・Aベンネット、横浜山手)に遡り、中学関東学院(1919年設立、初代学院長坂田祐、横浜市南区三春台)を経て、1953年、現在の六浦校地に設立されました。爾来、六浦校地で地域に中等(高等)教育を施す学校教育を行ってきました。現在に至るまでの道のりは決して、平坦ではありませんでしたが、2003年には設立50周年を迎え、多くの卒業生を輩出する学校として、その歴史を形成してきました。

(目的)

本校は、設立以来一貫して、キリスト教に基づいた学校教育を目的とし、キリスト教の精神をその基本としてきました。そして、中学関東学院の初代学院長坂田祐によって語られた「人になれ 奉仕せよ」という言葉を校訓として、社会に貢献できる人材の育成を目標として掲げてきました。以上が関東学院六浦中学校・高等学校の教育の原型であり、また、「学校法人関東学院寄付行為」「関東学院職制」「関東学院六浦中学校学則」「関東学院六浦高等学校学則」に定められている原則に則って学校教育を遂行していくものであります。

  • 本法人は、教育基本法及び学校教育法に従い、キリスト教に基づき、学校教育を行うことを目的とする。
    (学校法人関東学院寄附行為 第1章 総則 第1条 目的)
  • 関東学院は、キリスト教の精神をもって建学の精神とする。
    (関東学院職制 第1章 総則)
  • 本校は、教育基本法及び学校教育法に基づき、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて中等普通教育を施すことを目的とし、キリスト教の精神をその基本とする。
    (関東学院六浦中学校学則 第1章 総則 第1条 目的)
  • 本校は、教育基本法及び学校教育法に基づき、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて高等普通教育を施すことを目的とし、キリスト教の精神をその基本とする。
    (関東学院六浦高等学校学則 第1章 総則 第1条 目的)
(基調)

今日、教育界を取り巻く状況は大きく変化しています。社会構造の急激な変革と、時代状況の加速度的な変化は、社会のあらゆる領野に及ぶものであり今までの価値観や認識をも変えてしまうほど強力なものであります。本校においても、さまざまな状況の下で重ねてきた50余年の歩みを踏まえつつ、その教育のあり方の再構築も含め、時代状況に即した教育方針の確立が求められています。

私たちは、本校の目的に則った学校教育を遂行するにあたり、改めて今日の社会状況・時代状況を見据え、現在および将来に向かう新しい展望が開かれるものでありたいと願います。また、本校の目指す教育のさらなる前進に寄与し、本校から輩出した卒業生が社会に貢献できる人材となることを願うものであります。

このような認識と願いをもって、次のように、関東学院六浦中学校・高等学校 教育基本方針を定めます。

本文
(序文)

本校が新たに学校の再構築を強く求められる大きな要因は、すでに始まっている社会構造の変革と時代状況の変化を看過できないとの判断からです。これは、社会のあらゆる領域に及ぶ急激な変化であり、その結果として、今までの価値観・人間観をも変えていくような様相を呈しています。そしてこれは、本校の教育の根幹に関わるものであるという認識です。

社会全体の変化の中でも、「資本のグローバル化」「情報化社会」「教育の需要拡大」の3点はとりわけ大きなものであると考えます。

「資本のグローバル化」は、国家という枠組みをも横断し、世界の隅々までグローバルマーケットとして制覇しつつある大きな変革です。これは単に経済的な変革だけでなく、政治や文化などさまざまな分野に及ぶものとなっています。グローバル化に伴う規制緩和・市場主義は、経済の活性化を生みだす反面、その弊害や混乱も指摘されています。学校教育もグローバル経済の状況下にあり、市場原理の中に置かれるという現実を直視せざるをえません。

「情報化社会」は、私たちの生活の利便性に大きく貢献するものであります。瞬時に世界中から情報を得られることは、情報革命以前では考えられないものでした。その一方、過剰な情報量を個人で維持・管理するのは困難になり、時には情報に混乱させられることもあります。膨大に蓄積される情報の中で、その情報が本当に必要かつ有効かどうか、活用に値するかどうか判断する知恵や力が求められています。

「教育の需要拡大」は、教育水準の上昇をもたらしました。多くの人々が高等教育を受けることは重要なことであります。人々の学ぶ機会は、より優れた高等教育を求め、またより長い期間にわたって求められていくものとなりました。一方でこれは、学歴や資格のインフレーションとして機能し、結果として教育内容は、相対的にレベル低下を生じさせています。初等教育から高等教育に至るまで、教育内容の質的・量的低下は、学習意欲に関わる問題となっています。

このように社会を根底から急激に変化させる流れは,国家のあり方、企業や組織のあり様、地域的な人々との結びつきのあり様、家庭や家族関係までをも包摂し、個人の人間存在にも関わるものとなっています。そしてこれは、今まで培われてきた価値観・人間観をも変えていく力をもっています。

このような社会状況にあっても,私たちは「一人ひとりはかけがいのない存在である」ことを基本と考え、本校のすすむべき教育の実践を確実に遂行したいと考えます。

(教育目標)

本校は、社会全体の変化に対して、自らの再構築を新たに決意し、社会のさまざまなことがらによって重層的に構築される生徒像に鑑み、以下の3項目を教育目標として定めます。

これは、建学の精神とそれに基づく校訓の具現化に向けた本校固有の目標であり、キリスト教精神による自立した人格の形成と、社会に貢献できる人材の育成のための目標であります。

  • 1.共に励まし合う人(ENCOURAGE ONE ANOTHER)

    この目標は、「あなたがたは、現にそうしているように、励まし合い、お互いの向上に心がけなさい。(テサロニケの信徒への手紙 一 5章11節)」から導かれ、日々の学習やクラブ活動・進路指導などを通して獲得していく目標です。

    21世紀は「知の時代」と言われています。教育の需要の拡大に伴い、個人に必要とされる学力はより高いものが求められ、自己形成や自己実現のために、上級学校への進学を志向する努力が本校にとっての課題であると考えます。

    その一方で、個人主義の進展は、自己に対する否定的な感情やごく身近な人以外への無関心といった傾向を生み出しています。自己中心的な発想や言動がより強く見られるようになってきたのも今日の状況です。

    そこで、他の人の人格を尊重することができ、かつ自己肯定が希薄にならないように、学校の中で共に学び、共に励まし合うことのできる人材の育成を目標としました。

  • 2.社会に奉仕する人(SERVE THE WORLD)

    この目標は、「奉仕の賜物を受けていれば、奉仕に専念しなさい。(ローマの信徒への手紙12章7節a)」から導かれ、キリスト教教育や生活指導などを通して獲得していく目標です。

    社会は、人々が寄り集まって生活している形態であり、私たちは、他の人の存在や人格を、共同社会を構成するメンバーとして、互いに認め合わなければなりません。人は社会的な存在であります。

    「奉仕」は、校訓にも用いられている言葉であり、この校訓は、社会に貢献できる人材の育成を目標としているものです。奉仕をすることは、その精神に共感し、自由な意志に基づく行動を伴うことが大切であります。社会に目を向け、他者への配慮も含め、社会に奉仕できる人材の育成を目標としました。

  • 3.平和を尊重する人(WORK FOR PEACE)

    この目標は、「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。(マタイによる福音書5章9節)」から導かれ、課外教育や総合的な学習活動を通して獲得していく目標です。

    20世紀は「戦争の世紀」と呼ばれました。しかし、21世紀になった今も私たちは戦争から自由ではありません。また、本校の位置する六浦校地で教育活動が行われるようになった契機も、三春台校地の戦災によるものでありました。私たちは、戦争によってもたらされた本校の出発点を想起し、平和の実現を目指し、21世紀の平和をつくりだす人材の育成を目標にしたいと考えます。

    「平和」は、戦争に反対するという意味とともに、もっと身近な、人々が安全に暮らせることをも含めています。人々が安心して暮らすためには、信頼関係が必要です。そこで、平和のために働くことを目指し、信頼に基づく人間関係の構築を目標にしました。

(教職員の使命)

本校は、建学の精神とそれに基づく校訓の具現化および本校の定める教育目標を達成するよう努めます。

本校の教職員は、「関東学院寄附行為」「関東学院職制」「関東学院六浦中学校学則」「関東学院六浦高等学校学則」の目的に則った教育活動を遂行し、以下に定められた規律を服務とします。

  • 教員は、常に研修に励み、教育活動に必要な計画と準備を怠らないように努めます。
    (関東学院六浦中学校・高等学校就業規則 5 服務規律(1)(2))
  • 職員は、常に職務上の知識、技能の修得に励み、創意工夫をこらして業務の改善に心掛けます。
    (関東学院六浦中学校・高等学校就業規則 5 服務規律(1)(3))
(在校生の保護者の責務)

私たちは、教育活動を行うにあたり、以下のことを、在校生の保護者の責務として担うことを求めます。すなわち、建学の精神とそれに基づく校訓の具現化および本校の定める教育目標を達成させるよう、本校の教育基本方針に同意していただくこと、また学校教育が円滑に行われるよう、教職員との連携・協力に努めていただくことであります。

(結語)

私たちは、以上に定めた教育活動を目指すことを基本方針とします。

私たちは、社会の人々とさまざまな課題を共有しながら、学校に集い、共に学び、共に祈り、共に生きることが許されています。私たちは、今日の社会状況の中で、生徒・保護者との日々の交わりの中で、小さな声にも傾聴し、謙虚に対話を重ね、本校の教育目標の実現を目指します。また本校の教育目標を推進するため、私たちは歩むべき道を主イエス・キリストの恵みと導きのもとに着実に歩んでいくものであります。

【2006年4月26日 教員会議にて制定】